焙煎日記 ロースティングポイントを探す Ⅱ

2018/04/12

前回のサンプリングに多くの方がご参加していただき、誠に有り難うございました。

真摯なカッピングコメントをたくさんいただきました。

あらためてお礼を申し上げます。

以下、主だったものをご紹介させていただきます。



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カッピングコメント➀

先日いただいたサンプルの感想が遅くなってしまい申し訳在りません。

感想ですがB-2はマウスフィール、クリーンカップ共に他のサンプルに比べて
よかったと感じました。

カップが冷めてからは特に心地よさの点で差が出たように思いました。

ドロップポイントを1ハゼを終えてからの時間とガス圧の変化だけで探っていましたが
グラフの傾斜で前後させて検証するという発想がなかったのでとても参考になりました。

この結果を参考にさせていただき自分でも試してみたいと思います。

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カッピングコメント⓶

A①:やや重厚感のある甘いナッティ香で甘さは粘度を感じる(あまり好みではない)
くすみ(?)のあるカップ、甘いナッティ感の味わいは良いけれど雑味(?)を感じる
後味はほどよい苦みは良いがざらつき(雑味)感が残る

B②:爽やかな甘さを感じるナッティ香で気になる嫌な香りはなく気持ちの良い香り
一口目、口に含んだ瞬間苦さをまず感じるが嫌な苦さではなく、口当たり滑らかで
軽めのコク爽やかな控えめな酸味と甘さを感じる透明感のあるすっきりとした口当たり、
雑味・ざらつき感はなくさらっとしている
後味はすっきり爽やかで甘さ酸味コクがバランス良く続く

C③:甘さを感じる柑橘系とナッティ感の合わさった香りだが酸の香りに少々違和感
くすみを感じるカップ、コクは僅かで柔らかい酸味と甘さを感じる味わいだが
すっきりとしたキレを感じない
後味はきれいな甘さが続くがざらつき(雑味)感があり、どこかに渋み(雑味)を感じる

以上のような感じを受けました。

かなりの違いを感じ驚いています。

自分の焙煎ではAやCの感じに近い時があり、その時はカップの綺麗さを感じずなかなか
満足できないでいました。

重さのある曇った感のある甘さの焙煎や酸味に違和感のある焙煎がなぜ出ていたのか
今回お送り頂いたサンプルはとても参考になりました。

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カッピングコメント⓷

Ⓐ1 過剰なイメージ。 フラットで薄っぺらい印象です。 硬い感じ。 レスクリーン。

Ⓑ2 丁度良い感じ。 奥行き、厚みのある明るい印象です。 柔らかく滑らか。
バランスがとれてクリーン。

Ⓒ3 未発達なイジケたイメージです。 暗い酸。 縮こまった感じ。 レス クリーン。

以上です。

いつも勉強させていただいています。ブログの更新楽しみにしております。

今後とも宜しくお願いいたします。

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わずか1分の間に、レスクリーン(14:30)クリーン(15:00)そしてレスクリーン(15:30)
と循環を繰り返していることが、カップから分かっていただけたと思います。

カッピングスキルがある程度構築された方なら、はっきりとその差を認識できます。

皆さん驚きをもって、この現象を実感していただけたことは、とてもうれしく思います。

特に14:30➀ と15:30⓷ のカップは「自分の焙煎によく似ている」と思われた方が多く
、焙煎が迷路のように訳のわからないものになってしまう根本原因がこの現象と思われます。

この現象がいかなる原理で、どこを起点として循環しているかは、現時点ではわかりません。

ただ言えることは、温度が関与しているのではなく、時間が大きく関与していることです。

釜の内部温度は豆の表面温度の進行を左右するのですが、成分進化そのものを決定するもの
ではありません。

成分進化の良否を決定するのは、あくまでも焙煎後半の豆の表面温度の進行=時間です。

この進行を1分に5℃上昇というペースで進行させることで、適正なロースティングポイント
を導き出して来たわけですが、今回この法則以外に、焙煎時間による成分進化の存在がある
ことが分かりました。

まず、以前検証した15分の焙煎が、どの焙煎度(ライト~フレンチ)においても、オーバラル・
バランスでベストな時間でした。

生豆を加熱して、加熱を終了するまでの成分進化のタイムリミットというか、ベストタイム
が、豆の表面温度とは関係のない焙煎時間の次元で存在することを直感しました。

そして今回、成分進化の後半で、およそ1分内にレスクリーン・クリーン・レスクリーンと
繰り返していることが分りました。

これも一定の焙煎時間内の正確な現象で、豆の表面温度変化とリンクしていない現象でした。

どうゆう原理でこの現象が成り立っているのか?どこを出発点としているのかは今後の)課題ですが、
とりあえず、投入からの時間を管理して、ロースティングポイントを探る方法が確実です。

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