友人からの解Ⅰ

2015/06/11

P1030651_682x1024徹底した掃除とシーリングの強化で、排気能力が向上して、焙煎環境が劇的に変化してしまいました。


その結果、従来どうりに焙煎しても、焙煎のペースがスローダウンしてしまいます。


この現象に対応して、従来の焙煎のペースを取り戻すためには、ガス圧を上げれば良いと常識的には、判断できます。


しかし残念ながら、ガス圧を従来よりアップして、従来の焙煎ペースを取り戻しても、カップは向上しません。


カップからは水抜き工程がお粗末であることがわかります。


この結果から、前段の水抜き工程は、ガス圧に主導権を与えて進行させると、上手く水抜きができないということが、帰納されてきます。(水抜き過程で、ガス圧の上限があると解釈もできます。)


投入から、一定の豆の表面温度(167℃)に至るまでのペースを変化させて、水抜けの最適なペースを模索する過程では、ガス圧を変化させて、ペースをコントロールするより、むしろ投入温度を変化させてペースを模索する方が、よりベターであるということは、過去の検証からでも、同じ結論がでています。


今回の場合も、ガス圧は従来どうりで、そのかわり投入温度を上げて従来のペースを取り戻したほうが、結果は改善されました。


以上から、焙煎工程前半の水抜き工程では、“釜の予熱”が大きく水抜けに作用しているると帰納できます。


過去、プロバットの古典的機種(鋳物製のL系)が持て囃された理由は、この釜の予熱能力にあると思います。


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さて、話は現在進行形で進んでしまっていますが、約一年前のブログ“季節変化からの解Ⅰ”でお約束した、投入から7分~8分のファーストクラックの変化が、どう水抜けに影響するか?を報告しなければなりません。


結論として、このアプローチはまったくもってナンセンスでありました。


確かに、この時間帯にファーストクラックを持っていけば、そこそこに水は抜け、後半のドライディスティレーションもそこそこに達成できるようになります。


その辺のカラクリは、水抜き工程の温度帯とドライディスティレーションの温度帯との連関の結果から、“手っ取り早くそこそこに結果の出せる焙煎ノウハウ”であるとは確かです。(詳しくは、今後実証しながら説明していきます。)


あくまでも大枠としての焙煎ノウハウで、季節やクロップの変化に対応できるノウハウではありません。


意図的にこの時間帯にファーストクラックをもっていくことは、ガス圧をコントロールすることで、容易に出来ますが、それはある種、強引な手法であって、水抜き工程とドライディスティレーションの微妙な温度連関が見落とされてしまう結果、季節やクロップの変化に対応できなくなってしまいます。


ACEのS氏のブランドに囚われてしまって、スペシャルティコーヒーロースターとしての自覚がなかったことを反省しています。


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P1030659_682x1024話を戻します。


従来の焙煎ペースを取り戻すためには、ガス圧のアップより、投入温度のアップのほうが、水抜き工程において、良い結果がでました。


具体的には、ガス圧は従来のまま90Hpで、投入温度を約3~5℃アップすることで、従来と同じペースが取り戻せ、カップも向上しました。


この結果から、もっと高い温度で投入して、そしてその分ガス圧を落とせば、従来の焙煎ペースを維持でき、カップはもっと向上するのでは?ということが帰納できます。


釜の投入温度を何℃上げ、ガス圧をどのくらい下げるか?


そんなことを模索しているとき、ある常連のお客さんがいそいそと、豆を持参して来店しました。


彼は、ネットサーフィンしながら、気に入った豆を探しだしては、コーヒーを楽しんでいるコーヒーマニアなんですが、ときどき気に入ったコーヒーが見つかると、持参しては僕にコメントを求めて店にやってきます。


他店のコーヒーを持ち込んで、棚卸しを強要するなど、ずいぶんと遠慮のない客だと思いますが、いつもワイワイガヤガヤとコーヒー談議に盛り上がりますーーーー。


で、今回彼が持ってきたコーヒーをみて、思わず「あっ!」と声を上げてしまいました。


もう連絡が途絶えてしまった友人のコーヒーだったからです。


それはブラジルのナチュラルと、グアテマラのマイクロミルのもので、特にブラジルはナチュラルなのに、クリーンでブライトな酸が衝撃でした。


そのブラジルの農園は過去、仲間同士で初めてCOEを落札し、お付き合いが始まった記念すべき農園なのですが、カップから今回のナチュラルの出来は素晴らしいものだと判断できます。


でも、それ以上に、友人の焙煎の進化と、そして苦悩が伝わってきます。


スペシャルティコーヒーを共に学び始めて、共に意気投合して、共に焙煎にのめり込んでいった、友人のコーヒーだからからこそ、カップからその全てが伝わってくるのです。


友人のキラキラと輝くカップから僕のコーヒーの欠点が如実にさらけ出され、僕のアフターのカップから、友人のコーヒーの欠点がさらけ出されます。


そして、それらをどう統合すれば、改善されるかも、直感として暗示されます。


キラキラと輝くカップと、アフターのキレを両立させ、なおかつフレバーや酸、スイートやマウスフィールといったテロワールをどうカップに再現できるか?


今模索している課題は、この暗示とピタリ一致するのです。
























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