明けましておめでとうございます。
2020/01/08
明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ブログの更新が遅くなり、申し訳ございません。
今、水抜き工程と、成分進化の工程の分水嶺を探っています。
低温焙煎は、水が抜けたら一気に火力を上げて、成分進化の工程に入るわけですが、この水抜けのタイミングをどの時点で、どう判断するかは、低温焙煎のポイントと思います。
トータルとしての焙煎時間がほぼ決定しているため、水抜けの判断のタイミングで、残された成分進化の時間が左右されるからです。
水抜き工程を長くとれば、成分進化の工程は短くなり、豆の表面温度の理想的な成分進化がタイトとなり、成分進化が不十分になるリスクが多くなります。
この場合、アフターやマウスフィールは改善されますが、際立つ風味特性がスポイルされ、魅力のないカップになります。
また、それを考慮して、水抜き工程を短くすれば、豆の表面温度の理想的な成分進化を余裕をもって達成することが出来ますが、水抜きが不十分になるリスクが多くなります。
この場合、短時間焙煎の欠点と共通した、風味特性は再現されますが、アフターやマウスフィールが歪なカップになります。
水抜けの判断は、サンプルスプーンで焙煎中の豆を取り出して、鼻で匂いを感知し、豆ずらを観察することで、判断します。
実は、これがなかなか厄介で、確信が持てないのが現実です。
豆がシュリンクになる、、、ゴールドにいなる、、、
匂いに蒸気を感じなくなる、、、
といった条件があるわけですが、たった今この状況で水が抜けたのか?どうなのか?と疑心暗鬼に陥ってしまうのが現実です。
この不確実性のため、多くの方が低温焙煎を放棄している現状もあるかと思います。
匂いは変化してわからないから、、、どの条件でどう判断したら良いかわからない、、、
実は水抜けの後半では、豆が収縮を繰り返すことによって、芯の中の水を外側に解き放っていきます。
勿論これは、釜の余熱を最大限に利用して、釜の内部温度を一定にして水抜きをを進行させる低温焙煎によって、その状況が把握できるわけですが、、、
いったん縮小して水分を解き放ったと思えば、再び膨張してもう一段、内側の水分を解き放ち始めます。
それを繰り返すことによって、最終的に最深部に潜んだ水分を解き放つことによって、水抜きは完了します。
もうこれ以上、水抜き工程を持続しても、無駄という段階で、それ以降蒸気の存在は希薄になってきます。
この時点が、水抜けの段階で、水抜き工程と成分進化の分水嶺になります。
投入から豆の表面温度が167℃に至ってから、およそ2分後にその状況は訪れます。
これは、思った以上に遅く、豆の表面温度で言えば、171℃~172℃に至る時点です。
それ故に、残されたタイトの時間内に、思い描けるような絶対的な火力パワーが必要になり、このことが、低温焙煎を放棄してしまう原因でもあります。
僕の場合、投入から167℃に至るまでの時間を調整することで、浅煎りから深煎りまで、最終時間を15分で帳尻を合わせていますので、上記の水抜けが完了する時間は、9分~13分の時点になり、その時の表面温度は深煎りで172℃以上になり、浅煎りで171℃以下になります。
このことから、水抜けは投入からの時間が主導権を握り、豆の表面温度はある程度の幅があることになります。水抜けの時間が短ければ表面温度は若干高く、長ければ若干低いことになります。
投入からの11分で豆の表面温度を167℃に至らしめ、13分で水抜けを完了すると、15分まで2分残されています。
水が抜けた13分の時点では豆の表面温度が171℃前後になっていますが、これを2分後の15分までに、191℃前後に至らしめなければ、風味特性は十分に成長してくれません。
これは、通常の市販の焙煎機では無理で、かなりカロリーパワーのある焙煎機でも、公称されている投入量よりも、かなり投入量を落とさないと達成が不可能になります。
また、達成が可能になるように、バーナーを増設したり、投入量を落としても、今度は温度展開が過激すぎて、表面温度のコントロールがとても厄介になります。
標高の高いカチカチのニュークロップ・ハニー処理や好気性発酵処理のクロップ・そして低地のパーストクロップといった様々なクロップを見極めて、火力を調整しなければならないからです。