焙煎の見学会

2020/02/21

九州から2人の青年が、僕の焙煎を見学しに来ました。


ひょんな切っ掛けから、焙煎を見学させてほしいと要望され、快諾しました。

本当は断るつもりでしたが、一瞬、、彼らの切実な感情が伝わってきて、快諾してしまった、、、というのが本音です。

何よりも、焙煎中は焙煎に集中しなければならず、人がいるだけで煩わしいし、ましてや説明することなんてできっこない!無理だ!との思いがあり、過去多くの方のご要望をお断りしてきました。(ごめんなさい。)

しかし、承諾した以上は誠意をもって対応しようと思いいたったわけが、そう思い至った本当の訳は、低温焙煎のノウハウがほぼ完成した!という自信が出来ていたからです。

前回のブログにありましたように、水抜きと成分進化の分水嶺を探っているとき、15分内に焙煎を完結するという条件にあって、実は水抜けは今一段奥の方にあるのでは?という思いがあり、それを克服するためにはどうしたらよいか?という難題に直面していました。この難題を解決する画期的な方法のヒントを得て、実践したところ素晴らし結果が出ていました(このことは次回のブログで詳細を報告します。)

もう迷いはなく、多くの焙煎に悩める方たちに低温焙煎のノウハウを広めよう!と丁度思い至ったタイミングであったわけです。

当日の焙煎の見学会は、まず通常のフジ5k釜を、低温焙煎を可能にするための必要な改造点を説明しました。

シリンダーの改造。バーナーの増設・豆の表面温度を感知するためのセンサーの正しい設置位置への変更、、、といった点を、具体的に焙煎機を見て頂いて説明しました

そして、焙煎プロファイルを開示して、低温焙煎の特徴を詳細に説明し、それに沿って実際に焙煎をしました。

2バッチを焙煎して終了し。カッピングの経験がないということで、実際にカッピングをしました。

スペシャルティコーヒーの基本は全てカッピングであり、焙煎に関して言えば、焙煎豆をカッピングして、カッピングの結果から焙煎を修正して、それをカッピングといったように、焙煎とカッピングを繰り返して検証していく地道な努力こそが、焙煎の基本であることを説明しました。

まだ焙煎の経験が浅いため、少し専門的になりすぎたかな?と思いましたが、焙煎機の構造や、それに関連する焙煎理論が呑み込めていて、問題はなかったかと思います。

彼らからいただいた、レポートを記載します。

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先日は大変お世話になりました。

翌日は名古屋に戻りコーヒーのカフェ巡りをして昨日の夜に帰宅しました。
名古屋は自家焙煎珈琲のお店が多くコーヒーの味のレベルも高いと思いました。

【焙煎についての感想】
サードウェーブコーヒーさんのコーヒーを初めてネットで知り、取り寄せて飲ませて頂いた時に今まで飲んだ事のある同じ豆でもこんなに違いがあるのかと感動し焙煎について興味が出てきました。
その後ブログを拝見させて頂き、焙煎への向き合い方、考え方、求める味へのアプローチの仕方を見て驚きと共に感動しました。
その後何回か豆を購入し支払いのクレジットの期限切替りのタイミングのズレで支払いを完了してたつもりが引落しがなされておらずたまたま電話で話す機会があり、これはチャンスだと思い思い切って焙煎を一度見学させて頂けないか聞いたところ快く引き受けてくれました。
そして焙煎見学当日はサードウェーブコーヒーさんはカフェの経営もされてますが見学の為に時間を作って頂き教えてくださいました。
私は九州に住んでおり、九州から名古屋に行き14時頃に到着しそこから焙煎見学が始まりました。
先ずは焙煎機の説明です。
サードウェーブコーヒーさんの焙煎機はフジローヤル の5キロ釜(半熱風)でオリジナルでカスタムされています。
コーヒー豆の表面温度を見る為の温度計、純正のシリンダーに更にもう一枚鉄板で巻いてあり、ガスバーナーを多数増築されてました。
ガスバーナーの中やシリンダーの中、排気バルブについてや冷却装置バルブについてなど素人の私に分かりやすく丁寧な口調で一から教えて下さいました。
ガスバーナー点火からシリンダー内の熱風の流れ方、その時の排気バルブと冷却装置バルブの意味、シリンダー内の豆の動き方による豆表面度を測る装置の位置の必要性、シリンダー内の温度と豆表面度の在り方、浅煎りや深煎りのプロファイルなど細かいところまで様々学べました。
素人の私の質問に対しても何でも答えてくださいます。
そして実際に焙煎をしてくださり焙煎の仕方、求める味へのアプローチの仕方、記録の仕方など見せてくれました。
その後焙煎した豆のカッピングです。
私は今まで基本となるようなカッピングをした事がなくそこでも一からカッピングの仕方を教えてくださいます。
エチオピアの浅煎りと深煎り、ブラジルにコスタリカ、ケニアにドミニカ、マンデリンとグアテマラと8つのカッピングをします。
始めは温度が高いうちはハッキリと味の違いが分かりにくいですが、温度が下がるにつれて味の違いがハッキリと分かってきます。
カッピングによって焙煎の良し悪しが分かり次回の焙煎の考察という焙煎からカッピングまでの流れを学べました。

今回の焙煎見学をさせてもらう前までは焙煎についてどこまで教えてもらえるのか、こちらからどこまで質問していいのか色々と不安要素がありましたが、そんな不安要素は一切無く、こんなど素人相手に一から丁寧に分かりやすく分かりやすい口調で質問をしても全て答えてくださりとても感動し、そしてとても感謝しております。
ここまで教えてくれるところは他では講習代として数万円〜数十万円すると思います。
ですがサードウェーブコーヒーさんは全て無料で惜しみも無く教えてくださいました。
とてもとても感謝です。

最後に産地の方が一生懸命手塩にかけた素晴らしい豆も、ロースターがその素晴らしさを引き出せないなら、彼らの努力も徒労に終わってしまいます。コーヒー焙煎は皆んなで共有し良い情報があれば教え合い、より良いコーヒーを作っていき、日本に来る諸外国の方が日本に訪れ全国各地でどこで飲んでもコーヒーが美味しい!と言ってもらえるようになれたらいいと仰っていました。

私は焙煎を地元で学び出して1年でまだまだ未熟ですが、今回このサードウェーブコーヒーさんの想いを受けて、これから今回学んだ焙煎技術をいかして世の中の皆さんから美味しい!と思って頂けるコーヒー作りを目指して精進していきたいと思います。
サードウェーブコーヒーさんとの縁があった事、学べた事はとても感謝しております。
今回の経験は今後のコーヒー焙煎においての基本となりコーヒー人生の指針となる事に間違いありません。
今後焙煎の腕を上げてまたサードウェーブコーヒーさんに会いに行きたいと思います。
誠にありがとうございました。

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低温焙煎に適した焙煎機の改造は、基本的には➀豆の表面温度センサーを正しい位置へ設置すること。そして②バーナーを増設することです。
(たったこれだけのことです。)

以上は契約しているガス屋さんがガス工事を兼ねていれば、簡単に実行できます。

また、従来の焙煎機機能は何ら変更していませんので、従来の焙煎を行って営業しながら、空いた時間に低温焙煎を研鑚して、ものになってきたら、低温焙煎に移行することが出来ることが最大の利点です。

見学会は低温焙煎メソドのプロファイルを開示して、それをトレースしながら焙煎をしますので、従来の焙煎メソドで焙煎をされてきた方には、その差が如是つにご理解いただけると同時に、従来の焙煎の欠点の所在を把握していただけると思います。

見学会は焙煎を真摯に探究していただいている方の参加を歓迎いたします。

共に焙煎を向上させて、日本のコーヒーをレベルアップしようではありませんか!

焙煎の見学会に参加をご希望する方は、メールで参加希望をしてください。

 

 

 

 

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