焙煎日記 第三回 サンプリングクラブ Ⅱ
2018/11/16
多くの方が第三回サンプリングクラブにご参加くださいました。有難うございます。
また、コメントもたくさん多くいただきました。
以下、その要点をまとめてみます。
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●ⒶとⒷの比較の差を感じ取っていただくのは、かなり高度であったと思います。
ただ、液体の温度帯が冷めてきたり、抽出方法の差からその差を認知していただけたと思い
ます。
要点は、水抜き工程の時間が長くなると、必要以上に水を抜きすぎることになり、そのこと
が結果として、成分のオイル分が微妙に損失するようです。
今回の場合、Ⓑは14分焙煎のプロセスを利用して、水抜き工程を1分延長しても、全行程は15分
に収まるようにしました。
これは、15分を過ぎた焙煎は別の要因が出てきて、水拭きの延長がもたらすカップの差をダイ
レクトに把握できないからです。
ⒶとⒷが同じ15分であることで、水抜きを必要以上にする欠点を把握できます。
ぼくを含めて多くの方は、Ⓐの水抜き工程をただ延長して、Ⓑを16分近くまで焙煎してⒶ・Ⓑを
比較してみますが、16分焙煎の別の要因(繊維質のビター)があって、冷静に判断できなかった
と思います。
今回のⒷは熱いうちはフレバーの差を感知できますが、アフターの微妙なを感知することはある
程度の経験が必要と思います。
さめてくると、スイートとかマウスフィールの差を感知でき、ざらつきと滑らかさの差がⒷとⒶの
アフターの差となって現れてきます。
必要以上の水抜きを避けるためには、投入から豆の表面温度進行を管理して、どのポイントで
水が抜けるかを把握しておくことが大切です。
水抜けは、サンプルスプーンで豆の熱気を鼻で感知しますが、この作業でのポイントは匂い
ではなく、立ち上ってくる熱気の中に蒸気を感じるとることがポイントです。
水が抜けるポイントに近づくと、熱気の中に蒸気を感じなくなります
このポイントが水抜けのサインです。
動作からよく誤解をされますが、匂いから水抜けを感知することはとても難しいと思います。
●ブラジルの場合は、多くの方が実感して頂けたようです。
14分のものと15分のものを比較カップすることで、より鮮明にその差を感じることが出来、
14分のカップが自分の焙煎とよく似ていることを、多くの方が報告くださいました。
なぜ15分か?は僕も分かりませんが、飲料としてのバランスという捉え方から、15分の
加熱時間が適しているということかもしれません。