焙煎日記 焙煎時間の変化によるカップの変化Ⅲ

2018/01/10

明けましておめでとうございます。
旧年中はご拝読ありがとうございました。
本年も、よろしくお願いいたします。


さて、去年・2017年は僕の焙煎にとって、まさにエポックメーキングな年でした。


現在主流の短時間焙煎に低温焙煎の工程を取り込んだ“低温短時間焙煎”を考案し、その短所と長所をカッピングによって、検証を重ねてきました。

その検証過程で、投入から7分で豆の表面温度を167℃にすれば、8分45秒前後で水が抜けますが、さらに投入から1分伸ばして8分で豆の表面温度が167℃にすれば、9分45秒前後で水が抜ける現象を確認しました。


そして、以降167℃の時点を1分ずつ延長させていくと、水抜けも1分ずつ後半に
延長していくことが検証できました。

これは、後半のデベロップメントの工程は時間が決まっていますから、仮に
釜出しの温度を192℃にすれば、焙煎時間が1分ごとの差がある焙煎が出来ます。

投入から、豆の表面温度が167℃至る時間を7分から11分まで、1分ごとずらす
と、192℃の浅煎りが11分から15分までの5種類が出来ます。

理屈から言えば当たり前のことであり、何気なく通り過ぎてしまいがちですそれが、その隠された画期的な意味がカッピングを繰り返すうちに分ってきました。

それは、“焙煎時間の変化による成分進化”を検証できるという、従来の焙煎ノウハウでは全くできなかったことが可能となることです。

なぜなら、それらの5種のカッピング対象が、全て焙煎の基本をクリアーしているからです。

水抜きはできているか?・デベロップメントは適正か?という基本を全てクリアーしていますから、ダイレクトに“焙煎時間の変化による成分進化”を検証でき、適正な焙煎時間を見つけ出すことが出来ます。



上記のグラフは豆の表面温度が192℃【浅煎り】の焙煎時間の変化を表していま
す。

赤いグラフは、投入から7分で表面温度が167℃に至る最初のモデルで、短時間焙
煎のものと同じペースです。点線(ET)が釜の内部温度を表示し、実線(BT)が豆の表面温度を表示しています。

空焚きして、豆の表面温度センサーが192.5℃、釜の内部温度センサーが230℃を表示した時点で豆を投入しています。

この焙煎を1分延長するためには、投入時の釜の内部温度と表面温度を落として投入します。オレンジの点線と実線がそれに対応します。

このグラフはあくまでも実際の変動した数値を、解りやすくするためにデフォル
メしたものです。

生豆の硬度(標高差)とか、クロップの経過、スクリーンの差、部屋の温度変化に
よって変化しますから、それらを見越しての調整が必要です。

基本は投入から2~3分までに、釜の内部温度と豆の表面温度の関係をキッチリと
調整することによって、その後の釜の内部温度を180℃に維持すれば、目的とする時間に豆の表面温度が167℃に至らせることが出来るようにすることです。

そうすれば、おのずとその後1分45秒には水抜けが完了します。

次回から11分の焙煎から12分、13分、14分、そして15分と変化させていくポイントとカップの変化を、プロファイルを中心に説明していきます。

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