9月24日いよいよ本番!ローストマスターズチャンピオ
ンシップの日がやってきた。
SCAJのカンファレンスの最終日を飾る相応しいイベント
として、ぜひとも成功させたい。
当日も朝から味方塾のブースにいく。
チャンピオンシップは午後からだが、メンバーの多くが
各チームに参加しているため、午後の連絡や打ち合わ
せで、どこか忙しい。
早めの昼食をとりイベント会場に向かう。
バックヤードには、送られてきた各チームの“作品”が
出番を待っていた。
自分たちの“作品”を確認して、がんばれよ!と密かにエールを送る。
一般審査員部門の審査は会場に集まった参加者が、コーヒーマシーンで抽出したコーヒーを試飲し
て、気に入ったコーヒーに投票し、その得票数で順位を決定する。
招待審査員部門はCOE方式のカッピングで点数評価して、その平均点(4人)で決定する。
招待審査員4人は、ピーター・ジュリアーノ(SCAA会長)、フローリー・マリー(メルカンタディレクター)、
エルウィン・ミエルシュ(COEヘッドジャッジ)、フランシスコ・メナ(コスタリカエクスポーター)!
過去2回の開催を経て、今回は競技内容が見直され、よりローストの基本にフォーカスされた感があ
ったが、招待審査員のメンバーを見れば、本部の本気がビシバシと伝わってくる。
マシーンによる抽出が始まる。チームご
とに色が決まっていて、マシーンとサー
バーにはその色紙が貼り付けてあり、マ
シーン右横の2本のポットサーバーにも
色紙が張ってある。
会場には色紙の小片が用意されていて
、その色紙で投票する。中部チームは黄
緑だ。
毎回の抽出量は決まっていて、その抽出
量に適した粉の量をチームごとに決定し
なければならない。決定したグラム数を
マシーン上の色紙に記入する。
自分たちのコーヒーを抽出し、試飲する。
一番気になっていたのは、フレバープロファイルが出てくれるかであったが、そこそこに出ていたので、安心した。
酸のバランスも良い。甘さと滑らかさは足らないが、このフレバープロファイルならOKだ。
谷口さんも駆けつけてきて、試飲する。「どう?かなりいいでしょ?」「いいじゃん!いけるよ」。思わず二
人でほくそ笑む。
ルワンダを口に含み、鼻腔に抜kけていくフレバーを確認しながら、ディードリッヒによる焙煎の疑問が
氷解したように、いっきに解けてきた。
フレバープロファイルは(水が抜けていることが大前提だが)、一ハゼの段階で釜の内部温度がある。
程度高くなっていなければ、キッチリと出てくれない。豆の表面温度でローストの進行を管理していて
も、釜の内部温度を念頭に入れておかないと失敗する。
釜の内部温度は便宜上、排気温で判断する。そして、豆の表面温度と排気温はある程度リンクしてい
るが、これはかなりいいかげんで、豆の表面温度が上手く進行していても、排気温は意外に低かった
りする。
特に、排気温が低いまま一ハゼを迎えると、とたんにフレバープロファイルの印象度が落ちる。
今回は、一ハゼ後の豆の表面温度の進行ペースを落とすことばかり気にとられて、釜の内部温度が下
がってしまっていることが認識できなかった。焙煎機の構造からも排気温の設置はされていない。
釜の内部温度が低すぎて、デベロップしきれていないロットが多かった。釜の内部温度を基準として進
行させれば、おそらくこのルワンダのように、2分もすれば2ハゼ手前まで、いっきに進行するはずだ。
やはり、投入量が少なすぎた。完璧なデベロップを期待するなら、もっと多量の投入量が必要なのだ。
デベロップに必要な適正な温度と時間の両立は少量では難しい。
方法論として少量の場合、デベロップの主眼はフレーバーを最優先させ、マウスフィールやアフターは
目を瞑るしかない。反則だが、バランスが取れるピンポイントを探せばいい。
いつの間にかバックヤードはあわただしく
なっていた。執行部や各チームのメンバ
ーがそろい始め、準備にあわただしい。
各チームのコーヒーを試飲して回る。
各チームとも気合が入っていて、焙煎レ
ベルは日に日に向上している。
今回特に目立つのは、各チームとも、短
時間の焙煎であることだ。
この流れは昨年頃から目立ち始め、今
年はもう完全に主流になった感ががあ
る。
僕が焙煎を始めたころは、概ね16~18分が常識的な時間だったと思うから、ずい
ぶんと短くなった。
僕の焙煎も、いつの間にか短くなっていて、ソンガー氏のセミナー後からは13~14分になり、最
近は12分台が中煎りの標準になっている。
会場では一般審査用のポットサーバーが設置され、投票用の色紙も設置された。
招待審査員が壇上に上がり、カッピングによる審査が始まる。
カッピングの審査が終わった後、各チームのプレゼンテーションが始まり、焙煎のコンセプト、焙
煎のプロファイル、などが説明される。
同時に丸山委員が、各審査員に通訳をして、内容を伝える。
そして、各審査委員のカップ評価を頂く。
一般審査は会場に集まった全員が、自由に自分の気に入ったコーヒーを投票できる。何回も試飲
して、慎重に判断する人や、最初のインパクトで即決する人など、様々だ。
この時点で、自分たちが有利であることを確信した。
マシンの抽出は大雑把な抽出だから、ある程度薄く出せば、欠点はあまり表に出ない。後はフレ
バープロファイルがそこそこにていれば、印象を良くする
問題はカッピングによる審査だ。
フローリーさんには僕が気になるところをズバリ指摘されたし、エルウィンさんにも、これは“カッパ
ーのためのコーヒー”だと、やんわりとサンプルローストっぽい点を指摘された。
九州チームが同じデイードリッヒで、焙煎の進行も一ハゼまでは同じ。ハゼ後の時間が30秒ほど
、九州チームのほうが長い。
この差が、デベロップの差に影響していると思う。エルウィンさんの九州チームの評価はかなり良い。
一般審査員賞は僕たち中部チーム!
不安と期待が交差しながら、緊張していたため、その分、喜びは大きい。
ローストマスターズの各委員様、ボランティアの皆様お疲れ様でした。
また、各チームの皆様お疲れ様でした、また来年もがんばりましょう!