年が明けて、忙しさが一段落した1月末ころ、従来通りの焙煎でも、なんとなく重いカップが出てきました。
焙煎もなんとなく、従来より内部温度が高めに進行する傾向が出ていて、気にはなっていましたが、カップでこれほどの結果が出てくることは、どこかに異常があるためで、原因を明らかにしなければいけません。
もしや?と思い、サイクロン内をチェックしたら、ビシリとアカが溜まっていました。
煙突内も、しかりです。
年末年始の忙しさから、焙煎機の煙突の清掃を怠った結果で、慌てて掃除をしました。
ついでに、もう数年もの間、掃除を怠っていた焙煎機本体とサイクロン本体を連結するパイプも掃除して、それぞれの連結箇所のシーリングもチェックしました。
アルミテープによるシーリングはもともと脆弱で、振動やテープの劣化によるシーリング機能の低下は想像以上です。
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以上のように、掃除とシーリングを徹底した結果、排気能力は格段に向上しましたが、こんどは焙煎の進行が後手に回ってしまって、上手く機能しません。
まず最初の洗礼は、従来の投入量、投入温度、ガス圧であっても、どーんと中点が下がってしまします。
慌てて、ガス圧を上げても後手後手にまわって、投入から豆温167℃に至る時間が長引いてしまい、ファーストクラックも8分~8分30秒以降に伸びてしまいます。
なんの対策もせず、手をこまねいていれば、クラックは9分以降にずれ込みます。もちろんクラックの勢いはどこか元気がありません。
その次の洗礼は、ドライディスティレーションの段階でも、従来のガス圧では進行が遅れてしまい、進化不足に陥ってしまいます。
これらの課題をクリヤーするためには、ガス圧を全体的に上げれば良いことに気づきます。排気の能力が上がった分、ガス圧をパワーアップするのが道理です。
しかし、具体的には従来の初期ガス圧90HPから100HPにアップして、結果として従来のペースを取り戻しても、カップは向上するどころか、かえって悪化しました。
排気能力の落ちた重いカップから、排気能力が上がった分、カップは軽くなりましたが、暗い印象は改善されません。
むしろアフターがより悪化して、どこか嫌味を感じます。トータルとしての“バランス”が崩れて、まとまりがありません。
どうも解決策はガス圧ではなく、もっと違うところにあるようです。
従来のペースを取り戻すためには、投入量を減らすか、投入温度を上げるしかありません。