ドライディスティレーション《成分進化の実相》Ⅴ

前回と前々回は、コーヒーの抽出を書きこみました。

実は今、ホームページの構築中で、その中のページ “美味しいコーヒーの淹れ方” の原案を作っていたのですが、制作会社へ説明するためには、メールで文章と画像を送らなければなりません。

そして,ただ送っただけでは完成するわけでなく、その後の制作会社との細かい煩雑なやり取りがあって、ようやく満足するページが出来上がります。

この煩雑さを解消するにはどうしたらいいか?と思案していたところ、、、、、

「そうだこのブログに書きこんでしまえばいいじゃん!」と名案が浮かびました。

書きこんだブログを雛形に、制作会社に見栄えよく作っていただけば、説明するもどかしさが解消します。(そもそもブログで書きこむことも大変ですが、、、、)

出来上がったホームページのページは、とてもきれいにレイアウトされていて、読みやすいページになりました。

しかしその反面、僕の操作が未熟なため、このブログの読者の方々には、見苦しいページでお読みいただいていることをお詫び申し上げます。

HPが完成しましたら、このブログでご報告させていただきます。

しばらくお待ちくださいませ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

P1030893_1280x852_1280x852
さて、本題・焙煎に戻ります。

前回は、浅煎りのピンポイントを探り、その結果投入から10分30秒の時点で、豆の表面温度が192℃に至ると、カップの向上がみられました。

そして、同じ時点で、豆の表面温度が188℃の場合もややアンダーながら、カップが良かったことと、できるだけ豆の表面温度が高いほうが良い結果が出るということで、30秒前の10分で、188℃はどうか?を試しました。

10分30秒で192℃より、もっと浅煎りでのパフォーマンス=ジョージのフルフレバーローストと同等なパフォーマンスを期待していましたが、カップは期待とは裏腹に駄目でした。

レスクリーン気味で、フラットで奥行きが感じられないのです。

この関係は、1分後の11分30秒で197℃の良好なカップに対し、11分の194.5℃のカップもレスクリーンでフラットと同じ結果となります。

12分30秒の202℃のカップに対し、12分の199.5℃のカップも同じです。

このことから、ドライディスティレーションにおいて、1分間5度上昇の時計回りで、カップが向上したり劣化したりするサイクルがあるように思います。

10分台であれば、10分188℃のフラットでレスクリーンが、30秒後の10分30秒でストラクチャリでクリーンになり、そして30秒後の11分でフラットでレスクリーンといったパターンを繰り返すようです。

このことは豆の表面温度を変えてみて、なお検証してみなければ結論は出ませんが、パターンはあるように思います。

ちなみに、10分を188℃ではなく、5度法則で190℃で試しましたが、同じ結果となりました。
(ガス圧を一気に上げて、3分後に豆の表面温度を190℃にするには、強力な火力が必要なのですが、ちょっとした仕掛けもあります。そのへんは次回で説明します。)

このように焙煎によるストラクチャの構築が変化しているのなら、ローストの段階は限られてきます。

従来の焙煎度合い=色段階の分類は、カップからはもっと単純化しなければなりません。

説明の都合から、ライトロースから始めましたが、ミディアムローストの好結果から、その1分前で、5度低いライトロースのポイントや、1分後の5度高いシティローストのポイントを試してみて、カップがよければドライディスティレーションの進行はほぼ間違いがないと思います。

このようにして、よいカップからフィードバックして、全体のドライディスティレーションの流れをつかんでいきます。

またカップがよくなくても、先ほどのストラクチャの原理から、15~30秒のずれを修正することで、カップがガラッと向上することもあり、焙煎全体を見直してしまうのは早計だったりもしますので、要注意です。

焙煎を何度繰り返しても上手くいかず、焙煎の迷路にはまってしまい、思い悩むことはもうたくさんです。

いらぬ徒労を繰り返すより、このストラクチャの原理と1分5度原理で、ドライディスティレーション=成分進化の実相を摑んでみてください。

勿論、自分の焙煎機で、ピンポイントで焙煎をコントロールする技術の習得は欠かせませんが、そこまで至れば、焙煎の真実はすぐ近くにあるのです。

皆さん頑張ってください!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

P1030931_1280x720_3次回は前半の水抜き工程に戻って、時間と温度の関係を、今一度整理してみます。

今回の一連のドライディスティレーションの検証で、早い段階で表面温度が上がっているほうがカップが良かった結果を得ました。

このことは、そもそも低温焙煎が故の結論なのですが、早く表面温度を上げるために、ガス圧のパワーを上げることで対応してきました。

しかし、それ以外でも何らかの方法があるようです。

このことは低温焙煎と高温焙煎の分水嶺の領域にほかならず、これをカップから判断していきます。