焙煎日記 第三回 サンプリングクラブ

第三回目のサンプリングクラブを開催します。

今回は共に15分焙煎の浅煎りのグアテマラ2種です。

Ⓐ通常の浅煎り15分焙煎
Ⓑ同じく15分焙煎でも水抜けを1分延ばしたもの

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この二つは、15分焙煎・釜出し192度・成分進化の所要時間約2分30秒(火力アップから釜出しまで)を
同じ条件として、火力を上げるタイミングを遅くしたら、カップがどう変化するかを検証することが
出来ます。

投入から釜出し(15分)と成分進化(約2分30秒)を同じにして、水抜けのタイミングをずらすことは
矛盾しているように思われますが、

このタイミングを遅くした焙煎は、15分197.5度・中煎りの焙煎パターンを応用すれば可能となります。

浅煎りの11分167℃のペースを、あえて10分167℃のペースにして、本来なら11分30秒前後で大まかな水抜
けが完了するのを、あえてそこから1分延ばし、Ⓐと同じように12分30秒前後で火力を上げ、後半の成分
進化に移行しました。

そうすることで、15分で釜出しが192℃前後で終了することが出来、結果として両者の条件を同じにして、
唯一の差が火力を上げるタイミングの差になります。

(水抜きは出来るだけ奥の方=(成分進化への移行が遅いほう)が良いが、奥過ぎると成分進化が不十分になっ
てしまう)という恩師の指摘は、当時、焙煎のキーワードとしてとても気になっていました。

イメージとして、すごく分かりますが、これを具体的にどう検証するか?はとても厄介なことだと思ってい
ました。

しかし、15分というタイムリミットが判明したおかげで、一気に解決できることになったのです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大まかな水抜けから、さらに1分の時間経過は、サンプルバーの豆を臭覚で検知していると、スカスカに抜
けた印象がありました。

過去、低温焙煎に悪戦苦闘しているときに、焙煎時間という重要なファクターを無視して、時間を
かけて徹底して水抜きをしていたころの臭気に似ていました。

結果としてカップは、通常の浅入りの焙煎より、甘さと滑らかさがスポイルされています。

カピングの液体が50~60度になったころに、カッピングしていただくと、圧倒的に通常の焙煎のスイートと
かオイリーなマウスフィールが勝っていることが分ります。

延長したものは、14分のフラットとは違って、ストラクチャリそのものが薄っぺらくなった感があり、スイ
ートやオイリーなマウスフィールが半減した印象です。

そして、冷めてくると、アストリンジェントがうっすらと出てきます。

これは、1分の延長が嗅覚のイメージどうりに、成分がスポイルされ、成分進化が薄っぺらくなったのか?
そのため、グアテマラのオイリーな成分が喪失されて、繊維質がカバーされない分、アストリンジェントと
して表出してきたのか?

あるいは、適正な11分30秒前後の大まかな水抜けの時点で、速やかな釜の内部温度上昇がなされなかった
ため、成分進化が後手にまわったのか?は現時点では結論が出せません。

ただ、カッピングの直感から、スカスカの嗅覚=“水の抜きすぎ=成分の抜きすぎ”を感じます。

スペシャルティコーヒーのオイリーなマウスフィールは、水抜き工程での水の抜きすぎが原因でスポイルされ、
結果として甘さと滑らかさを半減したカップを生み出していると思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カッピングの希望の方にⒶとⒷをヤマトDM便で発送いたします。

これに、もう一組のブラジル(コモディティ)を同封いたします。

通常の15分焙煎のものと、14分焙煎のものです、共に202.5℃の釜出しで、15分のストラクチャリと14分の
フラットをはっきりと実感して頂けると思います。

これとの比較カップで、グアテマラⒷがフラットではなく、ⒶⒷともストラクチャリであり、上記の
差があることを実感いただけける絶好のサンプルになると思います。

ご希望の方は、メール(最下部:お問合せ)にてご住所・郵便番号・ご氏名・電話番号を明記して、サンプリング希望と、ご連絡ください。