ドン・マヨ ミル1
ドン・マヨ マイクロミルはヘクトル・ボニージャ氏によって、タラス・レオンコルテスに設立されました。■氏は2000年初頭に始まったコスタリカのマイクロミル革命の火付け役の一人でもあり、現在でも先進のコスタリカコーヒーを牽引するリーダーです。彼の親族によっておよそ10農園を所有しています。■コスタリカ・カップオブエクセレンスでの受賞歴は凄まじいもので、2008年の3位そして翌年2009年には優勝しました。その後も毎年入賞を果たして、2017・18・19年にはそれぞれ所有する10農園が入賞しています。そして2020年には再び優勝しています。■ACEのカップエクセレンスの履歴表記は農園名と農園主の記載のため、ドン・マヨミルとの関連が分かりにくいため、最近はドン・マヨのミル名を先に表記してそのあとに農園名をつけています。

ドン・マヨ ミル2
ドン・マヨは、現在までに約10の新しい農園を興してきました。このほとんどは牧草地などの土地で、元々はコーヒー農園ではありませんでした。■彼らは、こうした土地を一から開拓し、植樹間隔や品種選定、施肥、収穫時のオペレーションなど綿密なまでに計算して、1本1本の苗から農園を開拓してきました。■こうしたボニージャ・ファミリーの献身的な姿勢は、農園の端々まで1年間を通して十分なケアとクオリティコントロールを実現し、上記のように華々しいCOEの受賞歴が示すように、素晴らしい品質を毎年生み出す基盤となっています。■

スロードライ処理
コーヒーの精製処理の最終段階は乾燥工程ですが、アフリカンベットによって飛躍的にその品質が向上しました。ちょうど日本の干物を乾燥させる棚と同じ原理で、素材のチェリーやパーチメントが重なって蒸れることなく、効率的かつ均一に乾燥することができるようになりました。■そして、最近は乾燥工程を成分進化の工程と捉え、じっくりと時間をかけながら乾燥させることによって、円熟したより複雑で奥行きのあるカップを作り出すのが主流になっています。■乾燥に時間をかけることは過度な発酵のリスクがあり、それを避けながら“適度な発酵”をそくす工夫がなされています。通気の良いドームの中に3段のアフリカンベットをしつらえ、乾燥状態に応じて段を変えながら、1カ月かけてゆっくりとスロードライを行っていきます。■このスロードライ処理によって、コスタリカのお家芸のハニーコーヒーのカップは飛躍的に向上しました。

アナエロビックファーメンテーション
アナエロビック(嫌気性発酵)製法は収穫後のチェリーを密閉容器に入れて発酵させるポストハーベストの一種です。■ポストハーベストは収穫後のコーヒーチェリーからコーヒーの生豆を取り出す工程の総称ですが、今主流になっているハニー処理もこのカテゴリーになります。■ハニー処理とこのアナエロビックの違いは発酵させる工程で強制的に密閉するかどうかです。密閉し尚且つ発酵工程による加圧によって、チェリーの甘さをコーヒー豆に浸透させる効果があるとされています。■収穫したチェリーの果肉だけでなく、さらに同量の完熟した果肉を加えたり、2段階に分けて加圧することによって、よりジュシーに甘さが加わります。■ここまでくるともはやポストハーベストは人為的に加工される段階に至っているわけですが、それでいて自然な果実のフレッシュ感やジューシーが失われずに、むしろ増しているのは驚きのカップです。
